まずは  よろしく



このシリーズでは、トレードをあえて賭け事、つまりギャンブルであると表現し、アナタが賭け事で成功するために理解すべき7つの重要な考え方について触れていく。これは、長期的に賭け事で成功を収めるために身に付けなければならない考え方だ。ギャンブルを否定し、リスクを取ることを嫌いながらもFXで成功を夢見る 利己主義な方には、全くもって役に立たない話 である。


⑦分析と改善のサイクルを継続的に繰り返す

トレードの素晴らしいところは、ある戦略レベルをマスターすれば、更なる次元が待ち受けている点だ。例えば、向上心のあるトレーダー達がまず学ぶことは、タイトにトレードすることだ。

まずは長期時間軸で環境認識を行い、買いで攻めるか売りで攻めるかを決め、おおまかな利食い目標を決めておく。あとは、買いならどの手法で攻めていくか、または売りならどの手法で売っていくか、の
ルールに合致するタイミングを待つのみだ。複雑に考えすぎず、環境認識とルールに合致するタイミングを待つことをルーティンワークに落とし込んでいく。

基本的なスターティングリスクテイクのガイドラインを習得しておくと、大抵は勝率が飛躍的に向上する。しかし、次はパッシブ(消極的)にトレードしすぎていることに気付く。ほどよくタイトアグレッシブ(狙いを狭めながらも積極的)なトレードスタイルを身に着け、また上手くなる。そして、取引数量を上げても勝てるようになって《複利の力》を利用することができるようになり、驚異的な資金効率を体感することになる。また、今までのトレードで高い損益比率を維持しながらも、勝率を上げることに達成する。

そして更に越えなければならないハードルが幾つもある。本当に勢いのある相場なら複数の通貨ペアで同時にエントリーチャンスが訪れる場合がある。本当に、まったく同じタイミングでだ。更に、すでに多重ポジションを保有しているにも関わらず、複数の追撃チャンスが訪れる場合だってある。そして更にだ。スイングを意識して保有しているポジションに対して、短期的に両建てとなるポジションを立てる場合だってある。そして極めつけは、買いにも売りにもルールに合致するような微妙な相場だってある。その場合、どちらか一方、または両方とも失敗する覚悟をもって両建てのポジションを立てることもある。

このように、判断を求められる全ての場面でアクションを起こす、つまりエントリーしなければならない。悩んだり選んだりしている余裕などなく、飛び込むしかない。

ここで重要な考え方は、例え同じ通貨ぺアであっても、オリジナルポジションと追撃ポジションのそれぞれは確率的に関連性のない独立した事象であるということを意識しなければならない。参加しているトレーダーや取引されている数量は、それぞれのポジションごとに異なっている。

タイトな売買ルールを構築したトレーダーなら、そもそもエントリーすべきチャンスの頻度は低いはず。それでも短期間に複数の通貨ペアで多数のエントリーチャンスが発生するということは、相場に何らかの動意があり、短期的に確率が収束しているからだ。これを理解したのであれば、アグレッシブに攻めなければならない。失敗することもあるだろうが、時にはトンでもない大金を掴むこともある。タイトアグレッシブなトレーダーなら、たった一晩でサラリーマンの平均年収を稼ぐことくらい、普通のことだろう。新しいスキルを身に付けるたびに、より優れたトレーダーになり、長期的な利益率がアップしていく。

分析、研究、学習、そして改善し続けるトレーダー達はどこまでも上達する。トレードについて学ぶべきことは全て学んだ、という地点に到達することは決してない。最高のトレーダー達でさえ、いまだに学び続けているのだ。

しかしながら、トレードをすることはポンコツ車で急な坂道を上ることに似ている。アクセルを踏み続ける限りは着実に上達し続けられる。しかし、いったんアクセルを踏むのをやめると、車は急に停まってしまう。更には、すぐに踏み直さなければ、車は後ろ向きに坂を下っていってしまう。

またトレードは筋トレにも似ている。継続して鍛えれば体は強くなるし、筋トレをやめてしまえば筋肉や骨格が衰えていく。だから、俺は筋トレをやめようとは思わない。相場で正しい判断を下すためには健全な精神が必要だし、健全な精神には健全な身体が必要となる。40歳を超えた今、長時間のチャート監視をしても肩こりや腰痛がないのは、まるで歯磨きをするように筋トレを続けているからだと自負している。

アナタは継続的にトレードの改善に励まなければならない。仮に自分がゆっくりと少しずつしか上達していないと思っても、その勢いを持続させることこそが重要なのだ。上達への努力をやめてしまえば、アナタのトレード成績は停滞し、後退してしまうだろう。ポンコツ車が坂道を逆に下ってしまうのと同じくらい確実に。

新しいトレーダー達はFXに対して真剣であれば、学ぶことも貪欲であることが多い。たくさんの情報をとても早く処理し、かつ吸収する。結果として、彼らは最初の数ヶ月で急速に上達し、その後も確実に成長する。

しかし彼らの多くは、ある時点で学ぶことへの情熱を失ってしまう。彼らは今までトレードの勉強に割いてきた時間を、単にトレード自体に使ったり、またはゴルフコースで使い始めたりするかもしれない。もしかしたら、自分の取引履歴の検証すらやめてしまうかもしれない。

彼らが頼る情報源は次第に減っていき、やがてはトレード中に他人のFXブログを覗いてみたり、Youtubeで動画鑑賞することがFXの学習手段になってしまうかもしれない。本当に大切な情報源はチャート上にあるし、アナタの取引履歴、しかも損切となったトレードの分析を行うことで大切なヒントを得ることができる。

長いことFXをやってきたトレーダー達が、時間と共に学習への情熱を失ってしまうのには、幾つかの理由がある。その理由をいくつかみてみよう。



〇自己満足

FXを始めたばかりで勝てないトレーダー達は、上達への強い動機がある。ほとんどの初心者トレーダーは他の仕事との兼業としてFXをスタートし、いつかフルタイムな専業トレーダーとして活躍したいと考えるようになる。

時間に制限のある兼業トレーダー達は、数分で利益を抜き取ることができるスキャルピングが簡単だと思い込み、少し努力をすれば楽しみながら金を儲けることができると考える。しかしながら多くのスキャルパー達は短期時間軸のダマシの多さに悩まされ、感情の制御が利かなくなり、自己破壊的な道を辿ることになる。

運良くスキャルピングで勝てるようになっても、低Lotsで数pipsを勝ち取ることで満足している。更に上の取引数量で大きな値幅を奪い取るように真剣に儲けたいと思うものだが、もやはそのために努力や工夫をしようという情熱は持っていない。

『少し勝てる』ようになった時点で、時間を他のことに使いたいと思うようになってしまうのだ。



〇極めたという幻想

トレードは、外国語を流暢に話すのと良く似ている。ネイティブの人にも違いが分からないレベルにまで流暢に話せるようになる人は、ほとんどいない。

英語の習得に興味のない俺からしても、日本人通訳さんが話す英語とネイティブの人との違いが明らかに分かる。明らかに通訳さんの訳が間違っていることに気付くことだってある。

一口に流暢さといっても実に様々なレベルがある。最初のレベルは誰かと簡単な会話をできるようになること。後には、より複雑な議論を交わせるようになるのだろう。ゆくゆくはスラングや専門用語を覚え、ビジネスで使用したり教室で人に教えたりすることができる。

外国語を学ぶ時、大体はまずはあるレベルで足固めをし、次のレベルへステップアップするものであろう。次のレベルでは、『流暢さ』の本当の意味を認識し、より深い理解を示し、高い評価を下すようになるのだろう。(繰り返すが、俺は英語の習得は大切だと理解はしているが、その時間を割くならトレードをして金を儲け、空いた時間でトレードの検証をする方がよっぽど身になると考えている。FXで金を儲けるのに英語が必要なら、英語を勉強するよ。)

トレードも同じような仕組みだ。だが、優れたトレーダーになるために必要なことを、狭い視野でしか見れないトレーダー達も残念ながら存在する。そういったトレーダー達は、あるレベルに達すると自分はもはやFXというマネーゲームをマスターし、それ以上勉強に時間を割く必要がないと思い込んでしまう。

超短期的にトレードを仕掛けるスキャルパー達は、周りの弱さにつけ込んで1時間に数pipsという金を儲けることができるレベルには達したかもしれないが、自分自身のトレードにまだ酷い弱点があることに気付いていない。郵便局までの道順を聞くことができた時点で、その言語をマスターしたと思い込んでしまうようなものだ。

このようなトレーダー達にありがちなパターンとしては、高いLotsに何度も挑戦して失敗する(そしてそれを運が悪かったせいにする)。ゆくゆくは高い取引数量に挑戦して破産してしまうか、諦めてボトムフィーディング(ゴミ漁り:低いLotsで僅かな値幅で小銭を拾うこと)に戻るか、または思慮深ければ、自分の腕を磨く必要があることにやっと気づき、新たな研究体制を整えるだろう。

俺自身が上記の過程を辿った過去があり、だからこそスキャルピングを捨てて、研究の末にデイトレ・スイングメインでトレードするようになった。



〇情熱の喪失

ほとんどのトレーダー達が、FXを始めたころは大きな情熱を抱いている。空いている時間は全て、FXとその学習に使いたいと思う。しかし、その情熱も次第に薄れ、トレードすること自体は楽しみながらも、両輪の片輪である勉強に対しては魅力を感じなくなっていく。特に大きく資金を減らし、学習した結果が得られないトレーダー達は、FXそのものに魅力を失っていく。こうして、結果の分析とゲームの研究に費やす時間が減ってしまうのだ。

俺から言わせれば、FXに魅力を感じないのなら、さっさとやめてしまった方が身の為だと思う。中途半端にトレードし、中途半端に聖杯を探し続けることほど、無駄な時間の使い方はない。



〇停滞

FXトレーダーなら、熱心に勉強をしているのに一向に成績が上達しない、と思うことが何度もあるだろう。いったんそう思い始めると勉強と上達の関連性を見失ってしまい、勉強することをやめてしまう。

これはたまたま勉強が間違った分野に集中しているか、方法が間違っていたかもしれない。もしくは、短期的な不運に見舞われ、そのために良い結果が得られなかったのかもしれない。(自分の取引履歴を検証すれば、短期的な確率のブレによるミスか、ルールに反したミスだったかどうかが明らかになる。それが理解できないというのなら、検証をやっていないか、検証のやり方が間違っている。)

いずれにせよ、もはや勉強が必要ないといったレベルに達してしまったことが原因だとは考えにくい。FXはシンプルなようで非常に複雑なマネーゲームであり、心理戦だ。学習と改善のサイクルには決して終わりがない。



トップトレーダー達の意見はいろいろと分かれると思うが、彼らは、そして俺自身も、常に学び続けている。ある一定のレベルに達すると、自分のトレードと利益率に満足し、それ以上を望まない、という姿勢のトレーダー達がいる。彼らは、後退という概念を全く理解していない。

思い出してほしい。坂道を登るポンコツ車は、いったんアクセルから足を外してしまえば、止まってしまうだけでなく、坂を転がり落ちてしまう。同様に、FXトレーダーが学ぶことをやめてしまえば、彼らのトレード成績は相対的に後退するだろう。



この後退には2つの理由がある。まず学ぶことをやめると、矯正の効かない悪い癖を身に付けてしまう可能性がある。FXにおける長期間とは本当に長いので、いったん悪い癖を身に付けると、それに気付くのに相当な時間が掛かってしまう可能性があるのだ。

仮にアナタが結果を分析していれば、過ちに気付いて正すことができる。しかし、実際それを怠っていたのであれば、もう歯止めは利かないかもしれない。

次に、変化への応用力をほとんど失ってしまう。マーケットのルールが変わることは非常に稀であるが、その力学や戦略は、かなり飛躍的に進化する。上手いトレーダーが一夜明けたら下手なトレーダーになっていた、なんてことなんかまずないが、古い戦略に新しい角度を与え、新たなインディケータや新たなEA(自動売買プログラム)が開発され、また新たなトレード本が出版されている。

継続的な勉強を怠っては、新しい挑戦に適応しにくくなる。例えば、普段はスキャルピングを行っているトレーダーが、デイトレやスイングにスタイルを変えたとしよう。そうすると、監視すべき時間軸が異なってくるはずだし、使うインディケータも違ってくるかもしれない。またトレードを仕掛ける時間帯も変わってくるかもしれない。実際、スキャルピングをやっていたころの俺はNY市場を主戦場としていたが、スイングをやるようになってから朝の東京市場からチャートを見るようになった。ポジションの保有時間に体が慣れてきて、
そして、自分の手法に精通するようになってから大幅に収益性がアップした。

もし学ぶことを怠っていたら、恐らくスキャルピングからスイングトレードに適応することはできなかっただろう。

トレードで長期的な成功を確実なものにしたいなら、長期的な分析と改善のプログラムに取り組まなければならない。


では、実際どうしたら良いのだろうか?現代のトレーダーは、上達するためにさまざまなツールを手に入れることができる。

  • 自省

    自分の売買履歴を後で詳しく検証してみよう。リアルタイムでは意識できなかった最適な逆指値が見えてくるかもしれないし、デイトレで利益確定して満足していたポジションが、保有していたら何倍もの含み益に育っていたことが残酷なほど正直に分かることもある。勝率や損益比率を算出すると大まかな破産確率を知ることもできる。今の自分が改善すべきなのは勝率なのか、損益比率なのか、客観的に自分を見直すことができるようになってくる。


  • セミナーやネットからの購入

    新たなトレード手法を手に入れたなら、必ずその手法の検証を行わなければならない。所詮は他人が考え出したトレード手法だ。その手法を一定期間(6か月・1年間)にその手法通りに運用したら、どういう結果が出るのか理解できていないよな。つまり、その手法の理論的確率を知らないワケだ。

    まずは理論的確率が算出できるまでのバックテスト(過去検証)をやらなければならない。次はデモ口座かごく少量のロット数でリアルトレードを行い、ルール通りにトレードができるかどうか、自分自身の検証を行う必要がある。3か月から半年の期間で、自分がルール通りにトレードできて利益を出せていることを確認した上で、ようやく他人の手法が自分の手法となって腑に落ちてくる。ここまでに要する期間といえば、恐らく1年は掛るだろう。

    それから本番のロット数で、本気で金儲けをすればいい。初心者トレーダーはFXをやればすぐに金持ちになれるという幻想を抱いている。考えてみてくれ!世界中の一流プロアスリートやプロのパフォーマンスアーティスト(歌手・芸術家・俳優)達は、本当に長い時間をかけて自分のスキルや強い身体を作り上げ、プロとして金を稼げるステージに立てるようになる。

    なぜ、トレーダーっていう職業は簡単に稼げるようになれると思えるのか、俺はその短絡的な思考が不思議でたまらない。トレーダーだって、プロとしてメシを食っていけるレベルに達するには何年も時間が掛かることを理解しなければならない。

    手法の理論的確率を算出するのに便利なエクセルシートを俺の嫁さんが作ってくれた。興味があるなら使ってみなよ。

    自動確率計算エクセルシート


  • 他のトレーダー

    信頼できる他のトレーダーと、トレードのコンセプトと戦略を語り合ってみよう。上手いトレーダーの中には自分の秘密を話したがらない者もいるだろうが、真剣なトレーダーに対してはトレードの上達を手助けするために時間を割いてくれるかもしれない。

    ただし、片手間の小遣い稼ぎが目的の者に対して、わざわざ時間を割くようなプロトレーダーはいないと肝に銘じるべきだ。




  • 世の中にはあらゆるマーケットの種類やレベルに対応した、素晴らしいトレード関連書籍が出版されている。素晴らしい本を見つけたなら、本質を理解するまで何度も読み返そう。

    トレードに役立つおすすめの本


  • インターネット

    ネット上には実に様々なトレード関連サイトやブログがあり、簡単なヒントから詳細な戦略的記事まであらゆる情報が提供されている。


まず、これらの全てを根本的に理解することが大切だ。理解できない項目があれば、何度もその項目を読み返してほしい。

これらのコンセプトが合わさって、トレードに臨む際に必要な「賭けの考え方」ができあがる。これまでに説明してきた考え方を理解するだけでも、トレードでより良い決断を下すことができるはずだ。

「賭けの考え方」は、長期的に成功を収めるために身につけなければならない7つの考え方から成り立っている。それは、あなたの技術を補完する心理面の道具箱となる。


一応、これで成功マインド編の締めとする。俺なりに何か月も頭をひねって書いてみたが、役に立ったと感じたら、ちゃんとクリックしてくれよな。

成功マインドの習得は容易なことではない。何度も成功マインド編の気になる記事を読み返してみるといい。そして俺も、気が付いたことがあれば、これからも単発的にマインドについて書いていく。

たまにこのブログを覗きに来るといい。




FXパーソナルコンサルティング


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