まずは  よろしく


このシリーズでは、トレードをあえて賭け事、つまりギャンブルであると表現し、アナタが賭け事で成功するために理解すべき7つの重要な考え方について触れていく。これは、長期的に賭け事で成功を収めるために身に付けなければならない考え方だ。ギャンブルを否定し、リスクを取ることを嫌いながらもFXで成功を夢見る 利己主義な方には、全くもって役に立たない話 である。


②長期的視野でトレードする


この前の記事で、短期間で儲けようとトレードするのは的外れだということがよく分かったはずだ。短期間では何だって起こり得る。下手なトレーダーが勝つこともあるし、上手いトレーダーが負けることもある。

アナタがもし、トレードで儲けようと思っているのなら、長期的視野でトレードし、短期のリスクを受け入れるべきだ。

賭け事で成功するために必要な思考習慣の第2の姿勢は、長期的視野でトレードすること。しかし、『長期的視野でトレードする』とは、具体的にはどういうことなのだろうか?

重要な説明になるが、これはスタイルを変えながらトレードするということではない。全てのマーケットには、平均的に儲け易いはずの、『正しいトレード方法』がある。しかるべき目標はトレード毎に勝つことではなく、全ての相場で『正しいトレード』をすることだ。

実際、アナタは精神的にも長期的視野でトレードしなければならない。なぜなら、短期的な結果にこだわっていては、期待値の低いトレードをしてしまう危険があるからだ。

長期的視野でトレードしていれば、1週間のトレード結果など気にしなくなる。ワンショットごとのトレード結果など、なおさらだ。長期的視野でトレードしていれば、短期間の結果がどうあれ、長期的な勝者になるためのトレードをしていることに満足できるようになるだろう。

短期の勝敗にこだわりすぎるトレーダーは、勝てばハイになり、負ければ凹んでしまう。こういったトレーダーはまた、次のような過ちを犯しやすい。


(1)取り戻そうとする

短期の結果に執着するトレーダーは、負け越しを避けるためなら何でもする。負けが続いていれば、少なくともトントンに持ち込むためにトレードし続けることが多くなる。この行為は、悲劇的な結果をもたらすことがある。

まず、彼らは疲れたり飽きているのにトレードし続け、結果的にベストなトレードができなくなる。次にこの行為は、彼らが『ティルト』に陥る原因になる可能性がある。ティルトとは、自分の能力を下回るトレードをする行為を言う。ティルトになったというのは、アナタのトレードが何らかの形で劣ってしまったことを意味する。

損失が膨らんでしまった場合は、二重に落ち込むことになるからだ。もちろん、いざティルトに陥ってしまったら、損失がさらに膨らむ引き金になり、少しでも取り返そうと更に躍起になる。結果として、危険な悪循環に陥ることは分かるだろう。


(2)勝ち逃げしたくなる

逆もしかりだ。短期的視野のトレーダーたちは、短期間の利益を記録することが大好きで、それを過大評価しがちだ。カジノなどでギャンブルをする人は、『勝っているうちにやめよ』とよく言う。これは、今まで勝っていた分をすべて失ってしまった時の、落ち込みからくる言葉だ。

短期的視野のトレーダーにとって最悪のシナリオのひとつは、勝っていた分を失うことだ。例えそれが、上手くトレードした結果だったとしてもだ。そのようなトレーダーは、自分のトレード手法に上手く合致する相場に参加していて、上手くトレードしていたとしても、含み益があるという理由だけで、早々にポジションを利食ってしまう可能性がある。

あるいは、短期的視野のトレーダーは更に拙いことをしてしまうことがある。相場に参加しながら、トレードスタイルが非常に保守的になってしまうのだ。大金を失ってしまう可能性が最も低いトレードをしようとするため、期待値がプラスのトレードを控えてしまうのだ。これはエントリー恐怖症(=イップス)ともいう症状で、プロスペクト理論の通りに、利益を得ることよりも損失を回避しようとする意識が働き過ぎるあまり、理論的思考が感情に圧倒され、適切なリスクが取れなくなってしまう。


(3)ティルトになる

『正しいトレード』をすることよりも、結果を重視するトレーダーは物事が悪く回り出すと、その影響を受け易く、ティルトになってキレてしまう可能性が高い。

ルール通りに含み損を抱えたポジションを損切りしなかったり、ルールを無視して病的に何度もエントリーしてみたりする。またあるいはマウスをブン投げたりモニターをブン殴ったりと、物に当たったりするのもティルトに陥った証拠である。

ティルトに陥ったらトレードをしてはいけない。すぐに全てのポジションをクローズしてパソコンの電源を落とし、相場から離れることを強くお勧めする。


(4)トレードスタイルを激しく変える

長期的視野でトレードすれば、自分に落ち度が無くても短期間では負け越すこともあると分かってくる。あるいは、短期的に自分のトレード手法に合致しない相場環境があることを理解している。逆に、目先にこだわるトレーダーは、結果が思い通りにならなければ、本能的にやり方を変えようとする。自分のトレードを継続的に振り返り、それによって修正を加えるのは良いことだが、短期間の結果を基に何かを変えようとするのはよろしくない。

これは平凡なトレーダーによくある勘違いだ。悪い結果がいくつか続くと、彼らは結果を改善させようと、トレードスタイルをいじくり回してしまう。負けている原因がほとんど短期の運によるものだと理解して(もしくは受け入れて)いないのだ。





ハッキリ言えば長期的視野でトレードすることのみが、トレードで成功する手段なのだ。短期的結果に執着するトレーダー達は、概して不必要な精神的苦痛を覚え、マーケットで判断ミスを犯すことになる。


言い換えれば、デイトレードやスイングトレードより、超短期なスキャルピングでトレードする方が、判断ミスをする可能性は高くなる。



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次回は、カネを儲けることよりも、正しい判断を下すことを優先させる必要性について書くぞ!




⇒ 賭け事で成功するために必要な思考習慣③




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