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このシリーズでは、トレードをあえて賭け事、つまりギャンブルであると表現し、アナタが賭け事で成功するために理解すべき7つの重要な考え方について触れていく。これは、長期的に賭け事で成功を収めるために身に付けなければならない考え方だ。ギャンブルを否定し、リスクを取ることを嫌いながらもFXで成功を夢見る 利己主義な方には、全くもって役に立たない話 である。



① トレードのさまざまな現実を理解し受け入れる



そもそもトレードとは、不完全情報なマネーゲームである。トレーダーは、他のトレーダーがどこでエントリーし、どこで利食い、どこで損切りするのか、見抜こうとしなければならない。そして数時間先の価格が上がるのか下がるのか、短期的には何も保証されていないし、毎回ピタリと予想を当てる者などいない。


また小さな損切り幅でLCに当たらず含み益を出し利食いに達するには、相当数の試行回数に及ぶまで運の要素が支配し、上手くトレードしたのに損切りになることもあれば、下手なトレードをしたのに勝つことがある。トレードという不完全情報なマネーゲームを根本的に誤解しているために、成功できないトレーダーがどれほど多いことか。


これから述べることは、志の高いトレーダーなら知っておかなければない。俺はそれらを『トレードの5つの現実』と呼んでいる。



(1)トレードは技術と運が共存する不完全情報のマネーゲーム

トレードは果たして技術のゲームなのか?運のゲームなのだろうか?実質的に、相場には毎日異なるトレーダーが参加し、ランダムなタイミングで、ランダムな取引数量で売ったり買ったりする。チャートの形だって毎日新しいスタートとなるのだから、理論上、全てのトレードで勝ちに行けばいいように思える。

しかし、それぞれのトレードの勝者は、現実的にはランダムに決まる。トレードとは、より多くの勝利を取りに行くゲームではない。より多くのカネを勝ち取りに行くゲームである。実際、全てのトレードで勝ちに行くことは、トレードというマネーゲームの構造上、賢明ではない。

トレードの勝者は常に少数。ゆえに、ここぞという相場を選んで優位性のあるタイミングで勝負した方が儲かるのだ。全てのトレードで勝とうとする者は、その過程で多くの金を失うことになる。

つまりはこうだ。強いトレーダーの傾向としては、勝利するトレード回数は他のトレーダーより少ないが、勝ち取る金額が他のトレーダーより大きい。勝利数が少ないトレーダーが優れたトレーダーであるなど、他のゲームでは考えにくい。この独特の真実が、トレードを運のゲームのように見せている。

しかし同時に、技術的要素も多分に含まれている。様々な分析方法で、トレーダーはリスクテイク(=許容される損切り額を定めた上でエントリー)の決断を求められる。トレーダーは、チャートから与えられた情報を分析した上で、ベストなリスクテイクの決断を下すべく、自分で判断をしなければならない。判断が必要ならミスを起こす可能性があり、ミスを起こす可能性があるなら、当然、技術的要素が入り込む余地があることになる。



(2)短期的には運がモノをいう

トレードが技術と運が両立するマネーゲームだといっても、短期間内では技術的要因を見つけることすら大変な場合もある。例えば1週間や1ヶ月といった短期間内においての勝負の分け目は、誰が最高の技術(トレード手法)を持っているかではなく、誰が一番カネを勝ち取っているかである。個々のトレードの勝敗は運に大きく左右されるものである。

前節で触れたように、優れたトレード技術とは、負けトレードでより小さく負け、勝ちトレードでより大きくカネを勝ち取ることである。ただし、ワンショットごとのトレードでは不正確な科学に過ぎない。

勝っているからと言ってトレードが上手いとは限らず、負けているからと言ってトレードが下手だとは限らない。

この現実を理解するのは、トレーダーにとって極めて重要である。さもなければ、アナタは短期的な結果を基に必要がないのにトレードスタイルを変更したり、まずいトレードを続けてしまう可能性がある。

個々のトレードには運の要素が多分に含まれている。これら個々の運勢が集合体として、あるトレーダーにとっての良い流れなり悪い流れなりになることは、例えそれが一見相当な試行回数(トレード回数)においても、よくあることだ。


(3)長期的には実力がモノをいう

勝者にとっての良い知らせは、充分な試行回数のトレードをこなせば、運に左右されることがなくなることだ。

数学者ならば直感的に分かることだが、それほど数学に詳しくない俺たちは、コイントスを想像するとしよう。個々のコイントスには、表が出る可能性が50%、裏が出る可能性が50%ある。コインを10回投げれば、表が5回、裏が5回出ると大体予想される。表が特定の数だけ出る確率は以下の通り(数値は四捨五入のため概数)

coin


予想した通り5の確率が一番高く、4と6もかなり確率が高い。しかし、極端な結果になる可能性もかなり大きい。表が7回以上出る確率が、約17%もある。

しかし、もしコインを100回投げたなら?表が70回以上出る確率を計算してみると、今度はわずか0.004%(1%の250分の1)しかない。ランダムなイベントは、回数を重ねるごとに極端な値が出る確率が低くなるのだ。

この『大数の法則』と呼ばれる数理は、トレードにも重要な影響を及ぼしている。試行回数を重ねれば重ねるほど、アナタの運が極端に良かったり悪かったりする可能性は低くなる。充分なトレード回数をこなせば、運の要素は事実上かき消され、実力(期待値がプラスのトレード手法)のみが勝敗を左右するようになる。

残念ながら、運の効果が失われるには相当な試行回数を要することがある。500回トレードすれば、優れたトレーダーなら必ずといってもいいほど利益を生み出すだろう。しかし、彼がほんの平均的に優れたトレーダーでしかないのなら定かとは言い難い。500トレードのうち、100トレードや200トレードで負け越すことがきっとある。しかしそれは、期待以上に勝ち越す期間に相殺されるはずだ。試行回数(トレード回数)をこなせばこなすほど、要因として運の重要度は減っていくだろう。

ただし、これはあくまで、期待値がプラスのトレード手法で一貫したトレードを行うことが条件だぞ。


(4)より多くのカネを勝ち取るトレードは勝率が低くなる

為替市場では、一日の売買代金が5兆USDという多額の金が動いている。これだけの売買があるのだから勝っているトレーダーはさぞかし大金を儲けているだろうと想像するはずだ。確かに、勝ち組トレーダーのワンショット当たりの利益額は、平均的なサラリーマンの日収とは比べ物にならない。

ただし、トレードはそんな生易しいゲームではない。トレードはマネーゲームというより、マネーウォーズと表現する方が正しいかもしれない。トレードは合法的に認められた現金の奪い合いだ。ボクシングの世界戦を思い出してみて欲しい。世界チャンピオンと世界ランキング上位の戦いだ。どちらが勝つにせよ、一方的にパンチを当て続けて勝負が決することなどあり得ない。殴ったり殴られたりをしながら、ノックアウトや判定で勝負が決まる。

つまり、どんなに優れたトレーダーであっても、負けトレードがなく、勝ちトレードばかりであることは現実的にあり得ない。もし仮に勝率100%もしくは90%だと謳うトレーダーがいるとしよう。それは単純に嘘をついているか、ほんの少しでも含み益が出たらすぐに利食い、含み損のポジションを塩漬けにしているだけだ。こうすれば、たちまち高勝率な取引履歴が出来あがる。

高勝率を狙えば狙うほど収益性は下がり、下手するとマイナスの収支となってしまう。例えば、任意の損切り額をRとし、下記の2通りのトレード手法で一定期間に運用したとする。

A)勝率7割 損益比率 2R:R

勝ち金額 14R
負け金額  3R
利益額  11R

B)勝率3割 損益比率 20R:R


勝ち金額 60R
負け金額  7R
利益額  53R

この通り、勝率が低くても損益比率の高いトレード手法(B)の方が多くの金を勝ち取ることができることを簡単な算数で実証することができる。ただし、トレード初心者はどうしても勝率にこだわる傾向が強い。エントリーして少し利益が乗っただけですぐにチキン利食いしてしまう。だから、負けトレードの損失額を補うことができない。

熟練のトレーダーは、負けトレードがランダムに存在することを、経験的または統計的に理解している。だから素直に負けを受け入れて損切りを行うし、含み益がドローダウンしてもチキン利食いをしない。自分が決めた利食いポイントまで徹底的に含み益を伸ばそうとする。

人間は、確実性を求め過ぎるために、利益を得ることよりも苦痛から逃れようとする本能を持っている。これは『プロスペクト理論』でも証明されている。プロスペクト理論とはダニエル・カーネマンとエイモス・ドベルスキーによって考案された行動経済学における理論であり、2002年にはノーベル経済学賞をも受賞している。

苦痛から逃れようとする本能、つまり『損失から逃れよう』とする行動は、相場の世界では2つのことを意味する。ひとつは、マーケットそのものに参加しないという選択だ。これなら損はしないが、利益も得られない。しかし、相場に参加するなら、損が出る可能性をゼロにすることはできない。すると、『含み損でもせめて半値、できれば建値まで耐える』ってことを意味する。アンタが望む通りに動けば確かに損失はなくなるが、たいていは逆に動くものだから、損失は大きくなるものだ。

だからこそ、含み損は確実に損切りしなければならない。これはつまり、負け(損失)を受け入れることを意味する。損切り幅を小さくすればするほど、損切りの回数は増えるだろう。つまり勝率が低下するわけだ。

ただ諦めてはいけない。小さな損切り幅であってもLCにならずに爆益に育っていくエントリーポイントは確かに存在する。そして、そのような値動きは何度も繰り返されるのだ。これが優位性のある値動きだと判断すれば、この値動きを年単位で検証し、統計を出してみる。すると勝率や損益比率、破産確率が出せるだろう?その確率を理解することが出来た時、勝率の低いマネーゲームに対してリスクが取れるようになってくる。

トレードはスポーツと同じ。チャンピオンは試合で勝つのではなく、何年にも及ぶ厳しい練習に勝って来た。ボクシングの元ヘビー級世界チャンピオンのマイク・タイソンは、毎朝5時に起床し、5kmのロードワークをした。午前中と午後はリングでの練習。夕方5時からは筋トレだ。腹筋2000回、ディップス500回、腕立て伏せ500回。なんと腹筋2000回を1時間で完了していたそうだ。

タイソンの現役時代。このトレーニングメニューを週7日、欠かさずこなしていた。信じられない練習量だ。

俺はいつも口を酸っぱくして言って来た。プロのトレーダーになりたいのなら、チャートにかじりついて検証しろ!統計を取れ!確率を出せ!トレード本を読むことがトレードの勉強ではない。たまに、勉強のためにトレード本ばかり読んでいる者がいる。そんなもん、独身童貞男がエロ本を見てセンズリするのと同じようなもんだ。

リアルな女に出会えないならキャバクラかスナックでも行け。まずはリアルな女に会って口説いてみろ!フラれることを恐れず、いい女を口説いてみろ!ハタチを超えても童貞な男が多いらしいじゃないか、今の日本は。女にフラれることなんて大したことじゃないぞ。地球上には60億人もいて、その半分は女だろ。妻帯者はともかく、自由な独身男ならフラれても次の女にいけばいいだろ?そうやって、何かのきっかけで知り合った女と付き合ったり、結婚するもんだろ。人生の最後に、コイツが運命の女だったと思えればいいじゃないか?その女に出会うために何度もフラれてきたと思えばいいだろ、アンッ!!

トレードも同じようなもんだ。どんなに損切りを食らってもビビらずにエントリーできる者でしか、結局はマーケットから大金を勝ち取ることはできない。トレードで勝てないと愚痴っているほとんどの奴は、期待値がプラスのトレード手法を習得するために検証をしない奴か、そもそもエントリー回数が極端に少ない奴だ。


(5)トレードは分散が大きいゲーム

これは、前述した『トレードのさまざまな現実』全ての実質的な結果である。トレードは運と技術のマネーゲームであるが、短期的には運に大きく左右されるので、短期間の結果は極端に偏ったものになる。

勝ち組と言っても、勝率の高いトレーダーは利幅が小さいし、利幅の大きなトレーダーは勝率が低くなる。勝ち組トレーダーたちも、勝ち越しているトレード期間と同じだけ、またはそれ以上に負け越しているトレード期間があることを意味する。

どんな手法を用いてもレンジ相場なら勝率が下がったり、利幅も小さくなる。強いトレンド相場の時は、長く保有するスタイルのトレーダーなら驚くほどの大金を手にすることになる。

トレードは本質的に勝率を伸ばすゲームでない。損益比率を高め、いかに多くのカネを勝ち取るかを競うマネーゲームだ。


トレードのさまざまな現実を理解し、受け入れる。




まずは『トレードの5つの現実』を理解しなければならないが、より重要なのは、それらを受け入れて実践できるようになることだ。トレードの短期的な運の要素の巨大さを理解したはいいが、数回の負けトレードでトレードスタイルを変えてみたり、ビビッてエントリーできなくなり、それでトレードで勝てないと愚痴っていたら元も子もない話だ。

優れたトレーダーは『トレードの5つの現実』
を、自分を成功させてくれるマネーゲームの本質だとして理解し、受け入れているのだ。






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次回は、長期的視野でトレードする重要性について書くぞ!




⇒ 賭け事で成功するために必要な思考習慣②




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