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このシリーズでは、トレードをあえて賭け事、つまりギャンブルであると表現し、アナタが賭け事で成功するために理解すべき7つの重要な考え方について触れていく。これは、長期的に賭け事で成功を収めるために身に付けなければならない考え方だ。ギャンブルを否定し、リスクを取ることを嫌いながらもFXで成功を夢見る 利己主義な方には、全くもって役に立たない話 である。



⑥あらゆる感情を決断から排除する

このカテゴリでは、思考に無関係あるいは危険を及ぼす要因を消し去るテーマが繰り返し登場している。前の記事では、いかに多くのトレーダー達(自分も含めて)が誤って自分の自尊心やイメージなどを判断の要因にしてしまっているかについて触れた。その前の記事では、縮こまってトレードすることが最適でない判断を下すきっかけになってしまうことを述べた。

実際、このカテゴリの要旨の大部分は重要なことに集中し、同時に重要でないことを決断から排除させることにある。感情もまた、決断から排除すべき重要な要因のひとつである。

多くのトレーダーがトレードの決断に感情を挟ませてしまうが、意思決定の過程に感情がいかなる影響も与えてはならない。

スポーツによっては感情が有利に働くことがある。例えばラグビーのコーチは選手たちのモチベーションを上げるために、怒りや憎しみ、チームスピリットといった感情をかき立て、いつも以上に一生懸命にプレイさせ、いつも以上の実力を出させようとすることがある。しかし、トレードはラグビーや同類のスポーツと異なり、トレーダーにとって感情が役立つことがほとんどない

感情は、未来の相場が上がるのか下がるのかなどの予測はしてくれない。感情は、エントリー直後に狭いSL幅でロスカットに当たらず利益方向へポジションをコントロールできるような能力はない。感情は、あなたの判断力を鈍らせ、あなたの注意を本来考えなくていいことに向けてしまうのだ。


感情がトレードに及ぼすマイナスの影響は数えきれず、トレーダーは皆それぞれ違う。ゆえに、それぞれの感情がトレードに及ぼす可能性のある影響を全て列挙することは不可能だ。

そこで、トレード中に最もよく起こる感情を簡単に説明し、それらがトレードに及ぼしがちな影響について触れてみよう。


〇怒り

怒りは、トレード中で起こると、とても危険な感情だ。怒っているトレーダーは軍資金の使い方が荒くなりがちだ。実力以上に取引数量を上げ、してはいけないエントリーをしたり、やらなければならない損切りをしない。また、何か少しでも上手くいかなかったときに、例えば厳格に自分の売買ルールを守ってトレードしても連敗したとき、プツッと切れてしまう。


〇フラストレーション

フラストレーションは、よくあらわれるトレード中の敵である。トレードというマネーゲームではフラストレーションの溜まる出来事が実によく起こるからだ。フラストレーションの溜まったトレーダーは、ことを急ぎがちだ。きちんと判断しながら考えることができなくなる。


〇惨めさ

落ち込んでいるトレーダーが正しい賭けの考え方を実践していることは、稀である。世界中が自分を標的にしているように思い込んでみたり、《買えば下がり、売れば上がる》が続くと自分のエントリーが誰かに監視されているように感じたりする。また、その思い込みの実証を見つけようとする。最悪の事態を想定するので、利益を得られたであろうエントリーチャンスに飛び込めない。


〇恐怖

縮こまったトレーダーは、自分の口座の金が減ることを恐れるあまり、複数銘柄同時のエントリーチャンスや追撃(増し玉)のチャンスに飛び込めない。


〇幸福感

やたらハッピーなトレーダーにとってトレード中の問題は少ないが、あまり注意を払わないで決断を下し、チャンスを過大評価しがちである。以前にも述べたが、頂点が有ると書いて《有頂天》。有頂天になった者は落ちていくのみだ。


〇プライド

プライドの後に敗北あり!この感情が引き起こすダメージについては、前の記事を読み返して欲しい。


〇神経過敏

取引数量を上げた時、普段よりも神経質になってしまうことがある。神経質になると、集中が乱れ、決断までの思考回路を正しくたどれなくなる。また、エントリー恐怖症(イップス)を発症することがある。

ゴルファーがパットを打つときに緊張して普段の実力を発揮できないのと同じだ。エントリーチャンスが来たら右手の人差し指が硬直してマウスをクリックできないのだ。
無意識にエントリーすることが怖いと感じてしまう。



残念ながら、ほとんどのトレーダーにとって、感情のスイッチをオフにすることは不可能だ。自分の性格のこういった面に向き合い、受け入れるほかない。それでもトレーダーには、感情からの防御法が2つある。

  1. トレードが悪化する原因となる感情を抱いている時には、トレードするのを止めよう。
    (俺も、たま~に夫婦喧嘩するとトレードできない)

  2. 自分の感情を認めよう。そのうえで、それが決断に影響を及ぼさないようにしよう。

前者の方が明らかに簡単だ。特に強い感情を抱いているときには、そうするのが適切な場合が多い。しかしながら、感情はどんな時でも精神の中に存在しているということを忘れてはならない。いつディーリングデスクに着こうと、我々は常に何かを感じている。

たとえ、その感情のレベルが取るに足らないほど小さいとしても。完全に平静な状態でデスクに着いたとしても、トレード中には自ら感情を生み出すものである。よって、ずっと平静でいられることは、まずない。 

そこで2つ目の防御法を身に着けることが重要となる。感情を受け入れつつも、決断に影響しないようにするのだ。実際にこれはティルト(キレること)を防ぎ打ち勝つための秘訣となる。



  • エントリー前に緊張している⇒

    緊張している自分を受け入れてあげよう。損するかもしれないが、利益になる可能性だってある。更に損切りした自分を想像してみよう。小さくまとめたその損切りであなたが破綻することはない。損切りは利益を得るための必要コストである。



    エントリー直後に心臓の脈が速くなる⇒

    SL(逆指値)にヒットするかどうかが不安なんだね。そんな自分を受け入れてあげよう。まだまだ経験の数が足りないだけ。俺なんか、パンチドランカー並みに打たれ過ぎて、もう何も感じない。損切りの経験も悪くないぞ!習うより、慣れろ!だ。

    そもそもエントリーはギャンブルであって、含み益を出してからが俺の仕事だと思っている。ギャンブルだと思うようにしているからこそ、損切りになっても落ち込んだりティルトになることもない。

    例えばさ、金を掛けて広告打つじゃん。お客さんが来て初めて仕事が発生するよね。広告とかマーケティングってのは確率と統計を利用するんだよ。お客さんが来るかどうかなんか、広告の内容を練り直して回数を打って統計を出してみないと分かんないの。マーケティングと同じようなもんさ、エントリーなんて。損切りは広告費だと思えばいい、つまり必要経費だ。




    損切りした後にイライラしている⇒

    イライラしている自分を受け入れてあげよう。誰もあなたを攻撃などしていない。また、トレーダーなら判断を間違うことなんて誰だってある。チャンスだと判断したからエントリーし、判断を間違えたことに気付いたから損切りしただけ。小さくまとめた損切りは間違いではなく、正しい判断だ。チャンスに怯えてエントリーすらできないトレーダーより、よっぽど素晴らしい。

    損切りしたら、『ナイス、ロスカット!』って叫んで自分を褒めてあげよう。




トレード中に決断を下す際は、チャートの値動きとマーケット参加者の思惑を読むことのみに頼るように努めなければならない。 






恐れは夢を殺す

恐れは希望を殺す

恐れは人を病気にさせる

恐れは人を無気力にさせる

感情に振り回されるな

感情の奴隷になるな

自分をコントロールしろ

全てが自己責任であると受け入れろ

キミが探し求めていたものは、
恐怖心を乗り越えた先にある




次回は、分析と改善のサイクルを継続的に繰り返すことについて書く

賭け事で成功するために必要な思考習慣⑦




FXパーソナルコンサルティング


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